野良雲焼というプロジェクトを始めます。

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野良雲焼は、3Dモデラーやプログラミングを用いて作成されたデータを元に、3Dプリンターを始めとするデジタルファブリケーション機材を利用した原型・石膏型の作成を行い焼成した磁器及びそのプロジェクトの総称です。作成されたデータは共有サービスなどを通じてクラウド(野良雲)上で公開され、特定の地域や様式にとらわれない自由な発想と新たな手法を野良職人同士で共有しあい作品を生み出し続けるプロジェクトです。

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昔からテクノロジー×工芸というものに興味があり、2013年にはLuminosity Tableware Ceramicというセラミックで3Dプリントしたお皿の作品を作ってみたり、金属や木材をCNC切削機で加工して作成してみたりなどをしていたのですが、covid-19におけるワークフロムホームにより、自宅で過ごすことが多くなり、普段より作品を作る機会が増えたことや、昨年ビジュアルプログラミングで作成した一輪挿しを実際に作ってみたいという思いから、このプロジェクトを立ち上げることにしました。

まだプロジェクトの体裁を整えている段階ですが、今まで行ってきた活動を振り返ってみます。

プロジェクトの直接的なきっかけになったのはこのツイートの時期で、暇つぶしにGrasshopperを使った花瓶を作ってみたことが始まりです。

よく、3DモデリングのHello Worldでコップや花瓶などを作るチュートリアルが存在します。それをGrasshopperで制作してみたときに、なんとなくいつも思ってた「やり方はわかったけど、このコップ別にほしくないんだよな」という感覚が蘇って来ました。チュートリアルで紹介されているモデルって、基礎的なスキルを習得するためのものなので、美しさとかかっこいいとかあんまり感じないんですよね。

そこで、「ちょっと真面目にほしいものを作ってみよう」という気持ちでGrasshopperだけで制作するという縛りでモデリング(プログラミング)を行ってみました

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そこで出来上がったのがこれ。3つ作ってみたけど、気に入ってるのは中央と右の2つです。同じアルゴリズムで形状のバリエーションを出せるのは、プログラミングでの制作の強みです。でも、結局3Dプリンタで出力するにはPLAなどの樹脂成形になってしまうのでなんとなく物足りなさがあります。

セラミックが出力できる3Dプリンターがクラウドファンディングに登場し、僕も投資したのですが、このプロジェクト、ゴールしたのに完全に止まってます、、、悲しい。。。

そこで、「もう自分で陶器作るしかないのでは?」と思い至ったのです。ただ、僕自身陶芸の経験は0ですので、全くやり方は知りません。そして手で粘土をこねて作るのはせっかくプログラミングや3Dプリンティングを駆使してここまで来たのになんか負けた気がするのでやりたくありません。
そこで、ふと昔プロダクトデザイン学科の女の子が泥漿という、土を水に溶かしてペースト状にしたものを使用した作品を作っていたことや、FabLabにいたときにお世話になった人が「がば鋳込み」ってのをやってたことを思い出し、それをキーワードにいろいろと検索を進めた結果、型を作って磁器成形するプロセスにたどり着きました。一発で出力できないのは不服だけど、「とりあえず型を作ってみるか!」ということで、泥漿の入手方法も、どうやって焼くかなども決まらないまま3Dでの型作りを開始しました。

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僕はキックスターターでバックした液体の3Dプリンターも持っていたので、作成した型のデータを出力してみました。

ここで更に気づいたことがあり、どうやら泥漿を使った成形(鋳込み)は石膏でやるのがセオリーで、その理由が泥漿の水分を石膏が吸収することで型に張り付き、乾燥するからだそう。「え、3Dプリンタで型取りできないの・・?」

焦りながらいろいろ調べていたらすごいことを発見しました。

https://formlabs.com/blog/nervous-system-developing-3d-printed-ceramic-jewelry/

FormLabがセラミックの3Dプリンタ素材出してる。

https://n-e-r-v-o-u-s.com/blog/?p=8222&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+NervousSystem+%28Nervous+System+-+explorations+in+generative+design+and+natural+phenomena%29

Nervous Systemが3Dプリントしたモデルを使ってセラミックで焼成してる。

これだ!

3D出力した型をシリコンで型取り、そして石膏で型取り。。。。なんか遠回りな気もするけど、この方法でやってみることにしました。

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シリコンで型取り(気泡がめっちゃ入ってしまった。。。!)

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石膏で型取り。このあたりまでが去年。
そして今年に入ってバタバタしている間にcovid-19がパンデミックをおこし、他のことに気を取られていたのですが、落ち着いたので再開することにしました。

素人の僕はいきなり土選びから始めるのも気が引けたので、泥漿はねんどの石丸さまから完成品を購入してみました。そして鋳込み。(時間的にも心的にも余裕がなくて写真がありません。)

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排泥という余分な土を抜き取る作業

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乾燥。全体的に下手くそだということが晒されてるけど、これまでの工程全部僕初めてだからね。温かい目でみてね!これから成長するからね!みんな最初は素人だからね!

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造形ナイフを用意して口の部分をカット

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乾燥させて型から取り出し。これは結構感動する。。。。!!

型の成形精度が悪くて嵌合部分にバリが出てますね。あと、シリコンの気泡がしっかり再現されてる。。。(泣)

そして1日乾燥させてから、やすりがけしたりして素焼きをします。口の部分が歪んだ。。。型から外すの早かったかなぁ

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中古で安い電気窯を買いました。でもマイコン制御されてるもので、ボタン押すだけで焼けるっぽいです。壊れてないか心配ではありますが。。。

と、こんな感じで進めて来ました。その後の話はまた後日します。というか、実は今素焼きしてる傍らでこの記事を書いてます。6/5(金)

何故かって?

今日の13:00がMakerFaireTokyo2020の募集締め切りだからだよ!

ということで、MakerFaireTokyo2020にこのプロジェクトを展示したくて急ぎ書いた記事ですが、これから審査に通っても通らなくてもゆるゆる進めて行けるといいなと思っている今日このごろです。

いろいろ一通りのプロセスを体験してみて、有田焼とか唐津焼とか見ると改めてすごいことしてるなと感動します。一方でDIWOの精神でみんなの知見を共有してものづくりをしてゆくという文化を醸成することもとても大切で楽しいと思っているのでこれからもいろんなデータやHow toを共有していけたらなと思ってます。みんなで野良職人になりましょう!いつかみんなでWSとかやりたいなー。Make通ったらハンズオンとかやりたいんだけど、ちょっと今の段階で取り回しができるか不安だったからチェック入れなかったけど、やれたらやりたい。。

あと野良雲焼とは別にアクセサリーとかアート作品とかもいろいろ作ってみたいなと思ってます。
そんな感じでゆるい記事になったしまったけど、楽しんで続けられるようにがんばります。