アルミ缶で作る自作アルコールストーブの制作方法の紹介です。
キャンプや登山等アウトドアに慣れている方にはポピュラーな自作ストーブで、ゴミとなる空き缶を利用して身近にある道具で誰でも作ることが出来ます。
制作時間は半日ほどあれば作れると思います。今回は制作手順を前半後半に分けて掲載します。前半と後半で特に加工に必須な順番があるわけではありませんが、前半では缶の必要部分の切り出しと内筒部分の加工、後半では燃料注ぎ口やジェット孔の加工をしてゆきます。
身近にある道具と書きましたが、一部、DIYでは身近だけど一般的では無いかも知れない道具が出てきますが、入手が難しかったり、加工に特殊な環境が必要というわけではありません。他のDIYにも役立つ汎用道具なので、この機会に用意しておいても良いかもしれません。
0.準備
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・空のアルミ缶2つ(今回は160mlの小型缶ですが通常の350ml缶でも問題無い)
・カッター
・はさみ
・ラジオペンチ
・マスキングテープ*3(15mm2つ、6mm1つ ”用途確認の上必要分用意してください”)
・定規
・ホッチキス
・サインペン
・コンパスカッター
・電動ドリル(1.8mmのドリルビット)
・(スポンジやすり)
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ラジオペンチ・コンパスカッター・電動ドリルあたりは持っていない人もいるかもしれません。電動ドリルは使えればなんでもいいです。大変ですがハンドリーマーでも代用出来ます(僕はcainzの2000円くらいのものを使ってます)残りのものは100円ショップにも売られているようです。
スポンジやすりは完成品の機能には関係ありません。外観を整える為に使用するので、必ず必要というわけではありません。
1.アルミ缶の切り出し
よく洗った空き缶とカッター、マスキングテープ(15mm)を用意します。
カッターは分解して刃の部分だけにしておきます。
マスキングテープを2段重ねにし、カッターの刃を載せます。マスキングテープは高さ調整台としてしているので、30mmの高さが取れれば他の台で問題ありません。なるべく専用道具を使わずに作りたかったのでそこら辺にあったもので代用しているだけです。
カッター刃に手を添えて、缶をくるくる回して切れ目を付けてゆきます。
何度かくるくる回してゆくとだんだんアルミが削られて刃が入るようになります。0.1mmくらい全体で彫れたら、一部に強めに刃を入れて貫通させます。
あとは指で缶を押すと、切れ目に添ってピリピリとアルミがキレイに切り取られます。
同じ要領で2つ目も加工します。
次に加工した片方の「のみ口側(上方)」を更に加工し、内筒部分のパーツを切り出します。高さは6mmマスキングテープを追加して36mmとなるようにします。(こちらも特にマスキングテープである必要は無く、5~7mm程度の高さであれば何でも大丈夫です)
同じ要領で加工します
主な部品の切り出しが完了しました。加工した部分の上記写真の3つを利用します。
2.内筒制作
内筒制作には先ほど切り出した36mm高さのアルミ缶筒・はさみ・ホッチキスを使用します。
ハサミでアルミ缶筒を切り離します
切り離したものを、アルミ缶底面の溝に合わせます。中にはめ込めるようにアルミ板を巻いて径を小さくします。
巻いたアルミ板を手で抑えておき、余計な部分をハサミでカットします。この時アルミ板をホッチキスで留める為、15mm程余分に長さを取っておきます。
あくまで目安なので厳密でなくてもいいです。写真の例だと、ちょうどアルミ筒下方のイラスト枠がそのくらいだったので、参考にカットしました。
改めて缶底にあてがって筒の経を調整し、ホッチキスで留めます。
留める箇所は2箇所〜3箇所で、あまり外側にならないようにします。(缶底の出っ張りに干渉する恐れがあるからです)
出来上がったら筒の一方に3点写真のようなV字の切れ込みを入れます。
これはアルコールが流れる為の溝になります
内筒パーツが完成しました。
3.底面パーツの加工
底面パーツには2つのアルミ底部分のうちの1つをラジオペンチを使います。
アルミ缶のカットした部分をラジオペンチではさみ、手首を返して折り目を付けます。
細かく一周曲げます。蛇腹のような形にします
これはもう一つの缶底パーツを被せるために、片方を折り込んで径を小さくするための作業なので、外見は見えないため、そんなに神経質にならずにザクザク折り込んでしまって大丈夫です。
さてこれで底面・内筒パーツが完成しました!次は上面のアルコール注ぎ口とジェット孔の加工をしてゆきます。
後半に続きます。